アセンション

T1 愛と恐れ(E10)


あなたは、世界は破滅に向かっているという話を信じますか? それとも、創造主の宇宙計画は完璧であると確信して、やすらぎの中にいますか? 予期していることがあなたの現実になります。ー――アーキエンジェル・マイケル

( ロナ・ハーマン『光の翼』大内博訳、太陽出版、44p )


いま、地球の上では、地球の未来についてさまざまな「物語」が語られています。いちばん物質界の現実に近いのは、核戦争や環境破壊によって人類が滅びるという物語です。そのすぐ隣に、古代から連綿と存在する闇の秘密結社が陰謀を企てて、世界支配をたくらんでいるという話があります。さらに、これに悪い宇宙人が加担しているという話があります。自分たちの食糧源にするために、何千年も前に遺伝子操作で地球人類を作り出した邪悪な宇宙人が、収穫のために彗星に乗ってふたたびやってくるという話もあります。また、地軸の移動や自転軸の反転によって途方もない自然災害が起こるという話もあります。
 
要するに、地球の未来について、思いつく限りの物語が作り出されているのです。人間は恐い話が好きですね。映画の世界でも、わざわざ幽霊や怨霊が出てくる物語を一生懸命作り出して、しかもそれをわざわざお金を払って大勢の人が見にいくのですから。
 
けれども、地球の未来について恐怖を持っているというのは、映画を見るのとはわけが違います。なぜなら、大勢の人が真実だと思い込むと、それが地球の現実になるからです。大勢の人が未来の予言を気にしますが、未来というのは決まっているわけではありません。それは人類自身がシナリオを書きながら作り出しているのですから、どんな未来でもあり得るのです。
 
どんな未来でも作り出せるのなら、なぜ私たちは、もっとよい未来を作り出せないのでしょうか。その理由は恐怖と希望の性質にあります。恐怖というのは、「こういうことが起こるだろう」と思うので恐れるわけですね。「絶対に起こらない」と信じていることを恐れる人はありません。起こるかもしれないと思うから恐怖するのです。これに対し、希望というのは、「起こらない」と思うから「起こってほしい」と願うわけですね。絶対起こるとわかっていることを希望する人はありません。
 
このように考えると、私たちが、恐れていることと望んでいることのどちらを「起こると信じているか」がわかるのではないでしょうか。私たちは、恐れていることが「起こる」と信じ、希望することは「起こらない」と信じているのです。これが世界がだんだん悪いほう――私たちが希望しないほう――に向かってゆく理由なのです。なぜなら、現実になるのは、私たちが「起こってほしい」と思っていることではなく、「起こる」と信じていることだからです。
 
地球の未来についてたくさんの物語が語られています。「恐ろしい未来」を語る物語もたくさんありますが、それと同じくらい「輝かしい未来」を語る物語もあります。そのような状況の中で、私たちは「どれがほんとうなの?」という疑問を持ちます。けれども、どれも本当ではありません。どれを本当にするかは、あなた自身が決めることなのです。あなたがこうあってほしいと思うものを「真実」だと信じてください。そして、それをあなたの現実にしてください。もし「愛と喜びに満ちた地球」に住みたいと思うなら、あなた自身が「愛と喜びに満ちた存在」になってください。それが、「あなたの現実にする」ということです。そうすることによって、私たちは「輝かしい未来」を現実にすることができるのです。
 
もしあなたが完璧に「愛と喜びに満ちた存在」になることができたら、世界中の人たちが「滅亡のシナリオ」を信じたために地球が滅亡したとしても、あなたはそれとは無関係に「愛と喜びに満ちた世界」に入っていくことができます。それが神の完璧な宇宙の法則なのです。
 
恐怖を捨て、純粋の愛になってください。愛とは、この宇宙――神の創造の計画――が完全であることに信頼することです。私たちが見ている「恐ろしい現実」は幻に過ぎない、ということを知っていることです。そして、その幻を終わらせるために努力することです。そうすれば、地球と人類は、本来の神の創造した「愛と光の満ち溢れる」姿に戻ります。
 
実は、いまこのサイトを読んでいるみなさんは、この幻を終わらせるために地球にやってきたボランティアなのです。地球世界がこのような幻に覆われたのは、宇宙の中の一つの実験でした。それは、「愛のエネルギー」を極端に薄くしたら、何が起こるかという実験です。その結果として、地球は「恐怖の幻」に取り付かれてしまいました。実験の終了時期が来た今、宇宙は地球の幻を取り除くために働くボランティアを募集しました。それに応募したのがあなたたちです。ですからあなたたちは、本能的に、このような恐ろしい現実は、神の創造された世界ではないことを知っているのです。
 
幻を終わらせる方法は、地球と人類社会に愛のエネルギーを送り込むことです。けれども、それは恐怖に駆り立てられて送るのではありません。ときどき、「世界中の人がみんなで、地球を取り巻く光のグリッドに愛と光を送りましょう」といった運動が行われます。それ自体はとてもよいことですが、気をつけないと、無意識のうちに、愛だけでなく、恐怖のエネルギーを送ってしまうことになります。なぜなら、こういう運動に参加する人は、「これをしないと、地球が滅びてしまう」という恐怖を持っていることがあるからです。
 
恐怖ではなく、純粋の愛によって、純粋の愛を送ってください。別に特殊な運動に参加する必要はありません。参加しても、しなくても構いません。毎日、毎時間、あらゆる場面を愛で満たしてください。あなたが、地球に来る前、どれほど完全な存在であったかを思い出してください。あなたは無限の愛と無限の力と無限の生命を持った存在だったのです。そのとき、あなたには恐怖はありませんでした。純粋の愛だけがありました。その純粋の愛を、地球という幻の世界に大量に流し込むために、あなたたちは宇宙の果てから、ここに駆けつけたのです。
 
けれども、、あなたは地球人になりきるために、地球のエネルギーを自らに引き受け、恐れや悲しみや怒りのエネルギーを身に着けなければなりませんでした。それは、地球の運命の決定権を持つのは地球人だけであるという宇宙のルールがあるからです。アメリカの大統領になることができるのは、アメリカの国籍を持っている人だけですね。それと同じように、地球の運命を決定する権利を持っているのは、地球人だけなのです。そのために、あなたは地球人になりきってしまいました。あなたは、何度も地球に生まれ変わって、何千年も地球で暮らしていた、という記憶さえも身につけました。
 
けれども、いま、あなたは地球人として認知され、地球人の籍を持っています。そうしたら、もう、そのような地球の古い思考や感情や記憶のエネルギーはすべて放棄してよいのです。もう一度、地球に来る前のあなたに戻ってください。そして、無限の愛、無条件の愛、純粋の愛になって、地球と人類の中に愛の波動を送り出してください。それが、いま、あなたがここにいる本当の目的なのです。

2009年8月13日掲載

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