地球世界ゲームの参加者たち
神の意識の中がどのくらい広いのか見当もつきません。そこには無限の多様性が隠されています。無限の体験があり、無限の体験者がいます。常に新しい意識体験の場を生み出し、それを体験して行く無限のプロセスが神なのです。
そのプロセスのための仕組みの一つが霊的世界に張られたインターネットです。それは仮想世界を体験するための仕組みです。このインターネットには無限に多くの霊的存在がつながっています。あるものは仮想体験の場を提供し、あるものはその中に入り込んで自ら体験者となり、またあるものは脇役としてサポーターに徹します。
霊的世界のインターネットには、たくさんのゲームが提供されています。その中の一つが地球世界ゲームです。インターネットにつながっている霊的存在の中には、地球世界ゲームには見向きもしない存在たちもいるでしょう。そのような存在たちは、別の宇宙で別の世界をつくり、私たち物質宇宙に慣れたものには到底想像もできない体験を楽しんでいるはずです。また、私たちと同じ物質宇宙の中で、他の世界をつくって遊んでいる存在たちもいるはずです。
地球世界ゲームの参加者は、レースを走り抜ける私たち人間だけではありません。人間以外にすくなくとも３種類の参加者がいます。
第一の種類の参加者は、レースの場所を提供する宇宙や地球の意識たちです。これらの意識たちは、物質宇宙という広大なしかも精密な法則によって支えられた完璧な世界を用意し、その中に地球という美しい環境をつくって、その中で無数の人間ドラマを展開するに十分な場所を用意してくれたのです。地球の意識には、さらに山や川や風や雨を担当する意識たち、動物や植物を担当する意識たちなどが協力して、さらに多彩な変化に富んだ奥行きのある環境を提供してくれています。美しい花の色や小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風のさやぎ、夕焼けの空の色などが、人間たちが織りなす愛のドラマ、生命のドラマにどんなに深い彩りを添えてくれるかを考えてみれば、これらの意識たちがどんなに素晴らしい仕事をしてくれているかは明らかです。
第二の参加者は、人類の歴史に時々現れる霊的な指導者たちです。彼らは、ちょうどラリーのコースの要所々々にたって、コースの方向を示したり、故障車の修理を手伝ったりするサポーターのようなものです。神を忘れてしまった人間たちは、自分たちだけで自然に神を思い出すことはできません。そこで世界のあちこちで、時々霊的指導者が現れて、人間に善悪や愛の観念を教え、少しずつ人間の意識を高めるように導いてきました。やがてある程度まで人間の意識レベルが高まってくると、自然にそういうことに気づく人が増えてきます。こうして人類は次第に自分たちの本当の姿が何であったかを思い出せるようになってきたのです。
そして最後の参加者は観客です。人間界で行われるさまざまなスポーツに選手や審判などのほかに大勢の観客がいるように、地球世界ゲームという素晴らしいゲームにもたくさんの観客がいます。それは、レースを走り抜けることに夢中になっている私たちには見えませんが、彼らは人間の観客と同じように、素晴らしいプレーに拍手を送り、ひいきの選手に声援を送り、ゲームの結末に大きな関心を寄せて私たちのレースを見守っているのです。
宇宙の意識や地球の意識が存在するとしたら、そのような意識は人間にくらべると途方もない知性と能力を持っていなければならないと考える人もあるかもしれません。確かに、宇宙の意識や地球の意識は、人間にくらべるとはるかに高度の情報を取り扱うことのできる知性と能力に加え、高い倫理性を持っていなければなりません。けれども、これらの存在が霊的存在として本質的に人間の意識と違っているわけではありません。どちらも神が創造した霊的世界における完全な存在として完璧な能力を備えています。私たちふつうの人間も、霊的存在としては、宇宙の意識や地球の意識と同じだけの能力を持っているのです。それにもかかわらず、宇宙の意識や地球の意識が私たち人間にくらべて途方もなく高い能力を持っているように感じるのは、地球世界というゲームの性質によるのです。私たちは、本来持っているそのような能力を抑制し、「自分自身が霊的存在である」という自分の本当の姿すら忘れて、物質世界の肉体人間であると信じ込むところから出発して、再び神を思い出し、自分の本質を思い出し、霊的存在へ復帰するというゲームをしているのです。
現在、私たちは地球世界の「人間」を体験している意識ですが、もし地球のゲームを終了した後、今度は宇宙の意識になろうと心を決めれば、霊的インターネットの世界で新しい宇宙を創造し、そこへ遊びにくるたくさんの霊的存在たちに遊びの場を提供するプロバイダーになることもできます。プロバイダーである宇宙の意識や惑星の意識たちと、彼らによってつくられた仮想世界の中でさまざまな個別的意識体験を展開する体験者たちとのあいだには、上下の関係はありません。両者が共同で、無限の多様性を持った生命の無限のバラエティを展開しているのが神の創造した霊的世界の真実なのです。