魂のインターネット

理性から愛へ


新しい世界像の最も重要な点は、人間が肉体ではなく霊的存在であるということが明確に表現されていることです。どのように精神世界の探求をしても、私たちはこれまで陰に陽に、人間は物質世界の孤立した肉体的存在であるという観点にたっていることの影響にとらえられていました。けれどもこの新しい世界像によって、私たちは自分が霊的存在であるというところから世界を眺めることができ、その中で肉体というものがどういう位置を占めているのかということを知り、肉体を通じて得られる体験を霊性を高める方向に向かって蓄積していくことの意義を理解することができます。

けれども霊性回復の旅は、理性によって世界とはどんなものかを理解することではなく、私たちの心が愛によって働くようになることです。私たちの心が、隅から隅まで愛のエネルギーによって満たされ、愛のエネルギーによって振動し、互いの心が愛のエネルギーによって共鳴しあうようになっていくことです。現在、私たちの心の中では、肉体の自動操縦装置であるエゴが、あらゆることに支配力を及ぼしています。霊性を回復するということは、まず理性をエゴの支配から切り離し、次にエゴから自由になった理性による力で、エゴがあらゆるところに延ばしている支配の手綱を切り離し、私たちの心の中に愛のエネルギーが流れる道をつくることです。理性は水路をつくりますが、その中を流れるのは神から流れ出る愛のエネルギーです。

霊性回復の旅を進めるためには、過去の常識に凝り固まってしまっている私たちの意識、特に潜在意識を破壊して、新しい思考が入ってこられるような隙間をつくらなければなりません。第3部には、実際に心の持ち方を変えるための準備体操として役立つように、私たちの常識になっている考えや信念を見直してみるという文章をいくつか掲載しました。潜在意識を変えるためには、一回読んで「ああ、わかった」といっても効果はありません。繰り返し繰り返し、新しい考え方を心と身体に染み込ませてください。

実際に心の持ち方を変え、心の中に神の愛のエネルギーを迎え入れるための教科書としては、最近は数え切れないほどの本が出版されていますので、その中から自分にあうものを選んで読むことをお勧めします。巻末に、私が推薦するいくつかの本をあげておきました。
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