魂のインターネット

究極のゲーム


A5 地球という世界」の章で述べたように、地球世界という仮想社会は、非常に大きなそして刺激的なゲームの場です。そこには60億の肉体人間が住み、ありとあらゆるドラマを繰り広げています。それは肉体という車に理性と感情という二つのエンジンをとりつけて、サハラ砂漠を横断するレースを展開しているようなものです。車同士の衝突もあります。時には二つのエンジンが別々の方向に走ろうとして車を引き裂いてしまいます。生と死、愛と憎しみ、出会いと分かれ、戦争と平和・・・あまりにも多くのドラマを体験しつづけた人類は、もう自分たちが何をしているのかさえわからないほどの状態になってしまいました。

けれども、いま静かに眼を覚まし始めた人たちがいます。世界中で、人間の本来の姿を取り戻そうと考える人が増えています。私たちは、この地球世界で体験できる「究極のゲーム」に取り掛かる時期を迎えているのです。

意外に思われるかも知れませんが、人間が自分の本来の姿を忘れて、仮想世界の中の肉体を自分自身だと思い込むようになっているのは、決して人間が間違ったのでも、悪いことをしているわけでもありません。地球という仮想世界は、もともと神を忘れ自分を忘れるというゲームの場なのです。

それは神を忘れることによってのみ体験できる数々のドラマを体験するためであり、そして神を忘れたところから再び神を思い出すという、たとえようのない喜びを体験するためです。それは、長い長い闇の夜を過ごしたものが、いよいよ待ちわびた夜明けを迎えるというときの喜びを何百倍にも拡大したような喜びです。私たち人間は、元日の朝のご来迎を山の上で迎えようと、寒い冷たい夜道を一生懸命に冬の山に登って行く人たちのようなものです。

けれども、これはかなり危険なゲームです。だれかが助けにきてくれなければ、人間はいつまでたっても元に戻れないかも知れません。そこで太古の昔から、釈迦やイエスをはじめ多くの霊的指導者が地球上のあちこちに現れて人々を導いているのです。地球という仮想世界の中で迷うのも、それを助けに行くのも、どちらもゲームのうちです。

どんなゲームにも終わりはあります。いずれ私たちは霊性回復を達成するでしょう。本来霊的存在である人間は、霊性回復を達成し神とのつながりを回復した後でも、もし望むならまた仮想体験スクリーンにおける仮想世界ゲームを楽しむことはできます。もともと霊的世界とは神の遊びの世界なのです。仮想世界は地球以外にもたくさんあります。もう神を忘れたり自分を忘れたりしたくない人は、別の世界を選んで遊べばいいのです。

人間存在のすべてをゲームにたとえてしまうこのような考え方を、不真面目だと考える人もあるかも知れません。けれども、神は何のために存在するのでしょうか。神には何かしなければならないことがあるのでしょうか。

私たち人間が「何かしなければならないことがある」と考えるのは、何かが欠けていると思うからです。たとえば地球の社会には貧しい人がたくさんいます。私たちはそういう人を助けるようなことをしなければならないと考えます。けれども、もしも地球の上に一人も貧しい人がいなかったら、私たちは何をしなければならないのでしょうか。遊ぶ以外にすることはないはずです。神には何も欠けたところはありません。不足することは何もありません。神には何かをしなければならないということはないのです。古代インドには「すべては神の遊びである」という思想がありましたが、神は遊ぶ以外にすることはないのです。

神は私たち人間にも「遊ぶ」ことを望んでいます。あなたがいまどんな境遇にあるとしても、それは霊的存在であるあなた自身が選んだチャレンジの場なのです。あなたは極限の状況まで自分を追い詰めて、そこから神へ向かって帰還するというものすごいゲームを選んだのです。そのチャレンジ精神に他の霊的存在たちはみんなで拍手と声援を送っています。地球という素晴らしいゲームの場で、思う存分人間であることを楽しんで、そして霊性回復という究極のゲームを楽しんでください。

近年、チャネリングと呼ばれる方法で、物質世界に肉体を持たない存在からの情報を受け取る人たちが増えています。そのチャネリング情報によれば、最近「地球の意識」自身が、ゲームの場としての地球の基本方針を変更しようとしているそうです。それはもしかしたら地球世界ゲームに最初から計画されていた「最後の遊び」だったのかも知れません。それは「地球のアセンション」と呼ばれる遊びです。地球上の存在のすべてが、地球自身とともに、いっせいに自分を思い出し、神を思い出そうではないかという壮大な遊びです。それが実現すれば、それは途方もない宇宙的な規模の花火大会のようなものになるでしょう。そのときにはぜひあなたも一緒に参加してください。そのためにも、この新しい世界像は大きな助けになることでしょう。
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