未来へのビジョン

L21 お金のない世界(H13)

人類がアセンションすると、世の中から消えてなくなるものがたくさんあります。人類の意識レベルが高くなったら要らなくなるものが、現在の世界にはたくさんあるからです。

その一つがお金です。高い意識レベルの存在が住む世界には、お金というものはありません。お金の存在する意味がないからです。




お金のない世界というのは、どのようにして機能するのでしょうか。それをまざまざと見せてくれた出来事があります。

東北の大地震の後、2011年の5月ごろの話です。ベルギーに住んでいた日本人女性が、避難所にいる幼児を抱えたお母さんたちに、液体ミルクを贈ろうと考えました。当時、日本には液体ミルクはありませんでした。日本で使われていたのは粉ミルクです。ところが、粉ミルクを使うには、お湯が必要です。避難所のお母さんたちは、そのお湯が手に入らなくて困っていたのです。

ベルギーには幼児のための「液体ミルク」がありました。これはパックを開ければ、そのままで飲めます。

この日本人女性は、インターネットで、「日本のお母さんたちに液体ミルクを贈ろう」と呼びかけました。すぐに2000食ほどの寄付が集まったそうです。

今度は、これを日本に運ばなければなりません。それは、インターネットを見たある航空会社が無料で引き受けてくれました。

それを受け取ったのは、東京に住んでいる女性です。彼女もインターネットで「欲しい人は手をあげて・・・」と呼びかけました。すぐに、あちこちの避難所から手が上がりました。多くのボランティアの人たちが、それぞれの避難所に、液体ミルクを運びました。

お金がなくて・・・・人々の心に愛があれば・・・・物事はこれほど簡単に進むのです。



お金のない世界というのは、あらゆるものが無料で手に入るということです。そうしたら、「誰も働く人はいなくなる・・・」と心配する人がいます。本当にそうでしょうか。

もし、本当にそうだったら、お金のない社会というのは成り立ちません。けれども、もし、世の中がそんな人たちばかりだとしたら、東北の地震の後、被災地に駆け付けた大勢のボランティアは一体何だったのでしょう。

あの地震の後、「絆」という言葉が流行語になりました。大災害を見て、人間がお互いにつながって生きているということに改めて目覚めた人が大勢いました。一人の若者は、「自分のためだけに生きるなんてダサイ、と思った」と言いました。

「自分の利益にならないことは何一つしない」という人も、もちろんいるでしょう。けれども、世の中は、そんな人たちばかりではありません。なんとかして、人の役に立ちたいけれども、今の世の中では何をするにもお金がいるし、自分の生活にもお金がかかるし・・・ということで、結局何もできないでいる人がたくさんいるのです。いわば、お金が人々の行動を制約する存在になっているのです。

震災から時間が経つにつれて、ボランティアの人たちの数も減って行きました。ボランティアの人たちも、自分の生活のためには、ボランティアばかりをやっているわけにはいかないからです。もし、これがお金なしで生活できる社会だったら、もっと大勢の人が、ボランティアとして働き続けたのではないでしょうか。



「自分のことしか考えない人」ばかりの社会だったら、お金のない社会は成り立ちません。けれども、人々の意識のレベルが高くなり、人々の心に愛が満ち溢れているなら、むしろお金というシステムはない方が、社会はスムーズに動いて行くのです。

そして、人類がアセンションの道を進み続けるなら、いつかは、確実に、お金はこの世界から消えて行くでしょう。


2013年3月23日

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