アセンション

L11 2012年(E18)


2012年に人類は滅亡するという人たちがいます。一方で、2012年には、人類はアセンションするという人たちもいます。いったい、2012年というのは、なぜそんなに特別な年なのでしょうか。アセンションとはいったい何なのでしょうか。

2012年という「時間の設定」は、マヤ民族の暦から来ています。マヤというのは、昔、中米――今のメキシコからグァテマラのあたり――に住んでいた民族のことです。たいへん天文観測の技術に優れていたと言われ、正確な暦をもっていたことで有名です。16世紀のスペイン人の侵入によって滅ぼされ、最終的に1700年ごろ地域一帯はスペイン領になりました。

そのマヤ民族が使っていた長周期の暦が2012年で終わりになっていることから、「2012年人類滅亡説」を唱える人たちが現れました。最近上映されている「2012年」という映画でも――私は見ていませんが――天変地異によって人類が滅亡するという話になっているようですね。

けれども、私は自然災害によって人類全部が滅亡するようなことはないと考えています。20世紀の終わりには、ノストラダムスの予言によって人類が滅亡するという話が騒がれましたが、結局何も起こりませんでした。私は、マヤの暦に基づく「人類滅亡説」も同じようなものだと考えています。自然災害によって人類が滅亡することはないでしょう。自分たちで、核戦争をするなら別ですが・・・。

では、もう一つの「人類はアセンションする」という話はどうなのでしょうか。アセンションというのは、もともとは「上昇する」という意味です。キリスト教圏では、十字架に架けられたイエスが復活して天に昇って行ったといわれる「昇天」を指しています。アセンションとは、人類が、キリストと同じように天に昇っていく、という意味なのです。

ここで、また、アセンションについていろいろな解釈が生まれました。一部の人たちは、「昇天」という言葉の意味から、人類は地球を離れてよその星に移住すると考えています。そのようなストーリーを組み込んだ、シミュレーション・ゲームもあるようです。けれども、私は、人類が大挙して地球を捨てるようなことは起こらないと考えています。

なぜなら、アセンションとは、人間の意識の中で起こる現象だからです。それは「人類が目覚める」ということなのです。私たち人類が、自分たち人間の本当の姿を思い出し、本来あるべき生き方をするようになるということを意味しているのです。

具体的にどんなことが起こるのか、私にもわかりません。ある日突然夢から覚めるように目覚める、と言う人もいます。そうすると、今まであった世界は突然なくなります。けれども、そこには別の世界があるでしょう。私は、昔弟と喧嘩をした夢を見たことがあります。夢を見ている間は、私は弟と喧嘩をしていたのですが、目が覚めたとたんに、喧嘩をしていない私と弟がいました。そのように、地球の上から、ある日突然戦争がなくなり、テロがなくなり、病気も、経済危機もなくなるのかも知れません。

別の人は、そのような突然の変化でなく、ゆっくりと世の中が変わっていくと主張します。今まで常識と思われていたことが、常識でなくなります。今までの社会は、競争を原理とした社会で、人を押しのけてででも、上に上にと登って行ったものが勝ちだと思われていましたが、最近の若い人たちには、そのような上昇志向ではなく、人とつながりたい、みんなで協力していきたいと考える人が増えています。そのようにして、世の中は次第に変わっていくのかも知れません。

いずれにしても、アセンションというのは、人間が人間の本当の姿に気付いて行くことです。人間の本当の姿とは、人間が、肉体ではなく、霊的存在であるということです。肉体は死んでも、人間は死なない、永遠に生きている、ということです。私たちは、地球という土の塊の上に、個別のばらばらな存在として生きていると思っているので、お互いに競争したり、戦ったりしていますが、本当は、私たちは、すべての人間、すべての動植物と一体の生命体であり、それどころか、無生物と思われている地球そのものとも一体なのです。そのことを心に深く理解するようになれば、人間は、互いに殺し合ったり、むやみに自然界を破壊したりすることはしなくなるでしょう。そして、人間同士も自然界とも、戦ったり征服したりではなく、共に生きる、「共生」する穏やかな生き方を選ぶようになるでしょう。

その結果、地球の上に「黄金時代」が訪れる・・・これがアセンションの意味する「昇天」なのです。それは人類が地球を捨てて天に昇るのではなく、天をこの地上に引き下ろしてくる、この地球の上を天国にする、その結果、人類は天国に住むことになる、という「昇天」なのです。

2012年といえば、遠い先の話ではありません。来年です。こんなことが本当に2012年に起こるのであればうれしいですね。

けれども、よく考えてください。アセンションとは人類が目覚めることだと書きましたが、いったい、人類とは誰のことなのでしょう。それは、あなたの事なのです。目覚めるのは、あなたなのです。誰かが目覚めてくれて、地上に天国がやってくるというのではなく、あなたが目覚めることによって、地上に天国が訪れるのです。

もちろん、70億とも言われる人類のすべての人が目覚めるのを待っていたら、地上天国がいつ実現するのか、気の遠くなるようなことになるでしょう。けれども、ある程度の人が目覚めれば、「100匹目の猿」現象で、あるところから先は急速に進むようになるかもしれません。

それだけでなく、本来、アセンションというのは個人的現象なのです。もしあなたがアセンションの条件を満たしたら、あなたは、世界がアセンションするのを待たずに、自分一人でアセンションします。過去には、アセンションというのは、そのように、個人的にしか起こらなかったのです。

けれども、今回は、世界全体がアセンションする時期に来ているといわれて、それが特別なこととして注目を浴びています。けれども、世界のアセンションをもたらすのは、個人のアセンションです。アセンションの条件を満たす個人が大量にでてくることによって、世界が引き上げられるのです。

私は、このサイトを見に来る人が、一人ひとり、アセンションの条件を身につけてほしいと願いながら、このサイトを開いています。私たちがアセンションするために必要なこととは何なのでしょうか・・・・それは「無条件の愛」を身につけることです。そのため、このアセンションのシリーズでは、愛に関することを多く書いています。

一人ひとりが、他人を非難するのをやめ、無限の愛をもって互いにゆるし合い、助け合い、協力し合う心を持っこと、そして、できる範囲のことを具体的に行っていくこと・・・それがアセンションの条件です。

やがて、いつかは「100匹目」の限界を超えるでしょう。いろいろなチャネリング情報が今年(2011年)は大変化の年だと言っています。そろそろ、100匹目の爆発が始まる時期に来ているのかも知れません。そうすれば、2012年は本当に特別な年になるでしょう。けれども、全世界がそうはならなかったとしても、もしあなた一人でもアセンションの条件を満たしたら、2012年は、あなたにとっての特別な年になるのです。



2011年1月25日掲載
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