アセンション

E1 他人(ひと)を愛する


A9 自分を愛するとペアで「他人(ひと)を愛する」という項目を書こうと思いながら、ずいぶん長い時間がたってしまいました。なぜか、私の心の中で、言葉がまとまってこない感じがありました。それだけ「ひとを愛する」ということを正しく理解するのは難しいのだと思います。
 
「ひとを愛する」ことの基本は、そのひとを「尊敬する」ことだと思います。この言葉に意外な思いを抱かれる方もあるかもしれませんが、もしそうだとしたら、それは「尊敬する」という言葉の霊的な意味が、私たちの社会でふつうに使われている意味と違うからです。
 
ふつう、私たちが尊敬するという言葉を使う時は、その人が、自分や一般のほかの人とくらべて、何かすぐれたものを持っているという意味を含んでいます。あの人は「頭がいい」とか「道徳的だ」とか「何か大きな仕事を成し遂げた」とか「病気に負けず頑張っている」といった、何かすぐれたところがあるので尊敬するわけです。何も出来ない人、人の世話にばかりなっている人、悪いことをする人などは尊敬に値しないと思っています。
 
けれども、霊的な世界で「尊敬する」という言葉が意味するのは、そういう眼に見える資質や業績を尊敬することではありません。その人自体を尊敬するということです。自分やほかの人と比較してすぐれているから尊敬するのではありません。何も持っていない人、何もしない人、それどころか、みすぼらしい人、惨めな人、悪いことをしてひとを困らせる人、ひとの世話にばかりなっている人・・・・そういうひともみんな尊敬するのです。それは絶対的であり、無条件であり、無差別です。霊的な愛が無条件であり無差別であるように、霊的な尊敬も無条件であり無差別です。
 
霊的な尊敬の基本は、どんな人でもその人固有の存在価値を持っている、ということを認めることです。人の存在価値は、その人が誰かの役に立つから価値があるというのではありません。もし、人間の存在価値がひとの役にたつことにあるのなら、誰の役にも立たない人は殺してしまってもかまわないという話になってしまいます。
 
おそらく、表立ってこんなことを言ったら、賛成する人は誰もいないでしょう。けれども、無意識のうちに、人間の価値はひとの役に立つかどうかで決まると思い込んでいる人は結構いるのです。そういう人は、定年で会社を辞めたり、子育てが終わって何もする事がなくなると、自分の存在価値がなくなったように感じて落ち込みます。年をとって、自分の身の回りのことも満足に出来なくなり、人の世話にならなければ生きていけなくなると、自分の存在価値がなくなったように思います。
 
けれども、人間の価値はひとの役に立つかどうかで決まるのではありません。
 
シェークスピアはこの世は芝居だといいました。私は仮想現実だと言いますが、意味は同じです。霊的な目で見れば、この世は芝居であり、私たちはその芝居を演じている俳優なのです。舞台の上のドラマには、悪人も善人も登場します。あなたは、悪人を演じる俳優は悪人だと思いますか。「悪人」というのは舞台の上の役柄です。けれども、それを演じる俳優は、悪人ではありませんね。それどころか、その一座の一番の名優であるかも知れないのです。
 
人間の本当の存在価値を見るということは、その人が演じている役柄ではなく、俳優としての存在を見ることです。あるチャネリング通信に現れた天使は、「あなたたちは人間ではなく、人間を演じている天使なのです」と言いました。その人が演じている役柄に惑わされずに、俳優である天使の姿を見ることが、その人の本当の存在価値をみることです。霊的な尊敬とは、すべての人の中にこの天使の姿を認めて尊敬することなのです。
 
私たちは、いま、一人一人、この世において、何らかの役柄を演じています。その時期はもうしばらく続くでしょうが、一方で、私たちが霊性を取り戻すべきときが来ています。それは私たちが、自分の演じている役柄を超越し、本来の姿である俳優に戻ることなのです。今まで悪人を演じてきたか、善人を演じてきたか、男役であったか、女役であったかということは問題ではありません。それらのすべてを超越した天使に戻ることです。そして、その第一歩が、自分を含めたすべての人が天使であることを認め、尊敬することです。
 
仏教の伝説によれば、お釈迦様は、前世において、ありとあらゆる人を尊敬し、常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)と呼ばれたそうです。常に人を軽んじないという意味です。自分を迫害する人からはもちろん逃げましたが、それでも遠くのほうから手を合わせて拝んだといわれています。
 
このように、どんな姿を表している人であろうとも、その本質は神の子である、天使である、仏である、ということを認めて、尊敬と愛と祝福の気持ちを送る・・・・これが「他人(ひと)を愛する」ことの基本だと思います。

2007年6月27日掲載

霊性の時代の夜明け−トップ 霊性の時代(A) アセンション(E) 聖書の新解釈(B) 霊性入門講座(C) 魂のインターネット(G) 対話1 対話2
inserted by FC2 system