霊性入門講座

C19 地球世界の特徴


前回、次のような話をしました。
「神の心の中に生み出された神の分身たちは、神と同じように無限の力を持っています。私たちも無限の力を持っています。私たちは、今の私たちの姿からは想像もできないような、力をもった存在なのです。それが、なぜ、今のような、制約の多い無力な存在になっているのでしょうか。」 今回は、その理由についてお話します。
 
初めに知っていただきたいことは、「無限の力を持った存在」を制限できるものは、自分自身以外にはないということです。私たちは、自分で自分を制限しているのです。何のためにそんなことをしているのでしょうか。それは、私たちが、ある特殊な世界を作り出そうとしたからです。
 
私たちが自分自身を制限するのは、スポーツやゲームのルールに似ています。近年、日本でもサッカーが盛んになっていますが、サッカーというのは、「手を使ってはいけないという制限を課すことによって成り立つスポーツである」と言った人があります。私たちは、そのルールに従うことによって、そのゲームに参加します。ルールに従うということは、自分で自分の行動を制限することです。

そのような見方で眺めてみれば、世の中のありとあらゆるものが、人間の自由な行動に「ルール」と呼ばれる制限を課すことによって、成り立っていることがわかります。サッカーにはサッカーのルールがあり、野球には野球のルールがあります。経済活動には経済活動のルールがあり、政治には政治のルールがあります。ルールを作ることによって、ある特定の世界が作り出されます。ルールが変われば、世界が変わります。 
 
私たち人間が、本来持っていた無限の力を制限して、地球というこの世界の中で肉体として生きているのは、それと同じように、自分の能力を制限することによって、ある特別な世界を作り出そうとしたからです。
 
この講座の6回目「霊の仕事」で、「霊の仕事というのは、生命のあらゆる姿を具体的に描き出すことである」という話をしました。「霊たちは絵描きのようなものなのです。バラの花を百万本持ってきても、同じ花は一つもないように、生命の具体的な姿というのは無限にあります。したがって、霊たちの仕事も終わることがありません。絵描きはカンバスの上に絵を描きますが、霊は自分の人生を使って生命の特定の形を描きます。私たちの人生は、私たちの作品なのです」。
 
霊が具体的にどんな人生を描くかということは、それぞれの霊に任されているのですが、いま、地球に集まっている霊たちは、ある特定のテーマのもとにさまざまなな生命の姿を描こうとするプロジェクトをはじめたのです。そのテーマとは、「神の分身である霊が、自分が神の分身であることを忘れたらどうなるか」というテーマです。
 
そのために、私たちは自分自身の無限の能力を極端に制限し、自分が神の分身であるという記憶を消し去り、自分が壊れやすい物質の肉体であるということを信じ込んで、その制限のもとに、あらゆる状況の人生を描いてきたのです。
 
このプロジェクトに参加したのは、人間の霊だけではありません。「地球」そのものも、参加者のひとりです。昔は、地球はただの物質の塊だと思われていましたが、現在では、地球も意識を持っており、魂を持っている存在であることを認める人が多くなり、「ガイア」という名前も与えられています。地球は、もちろん、このプロジェクトに参加した霊の一人であり、そして、最も重要な一人です。彼女(ガイアは女性として扱われるのが習慣なので、ここでもそうします)は、プロジェクトの舞台となる素晴らしい世界を提供してくれています。そして、数多くの動物や植物を提供してくれた霊たちもいます。彼らは、それぞれの種の姿において、人間とは異なる生命の姿を描いていますが、同時に、人間のために美しい変化に富んだ環境をも提供してくれています。
 
このように、非常に多くの神の分身たちが集まって、「自分自身が霊であることを忘れた霊たち」の世界を描き出してきました。その世界には、光の部分と闇の部分とが共存しています。私たち、人間の尺度では、それをすぐに善悪に結び付けてしまいますが、光を描く画家が良い画家で、闇を描く画家が悪い画家だというわけではありません。光を描くことも、闇を描くことも、ともにこのプロジェクトの重要な一部分なのです。
 
ここまで読んできて、それでは、このサイトは悪を奨励するのか、と思われる方があるかも知れません。

そうではありません。なぜなら、光と闇の交錯する世界では、常に、光が闇を克服しようとする運動が存在しています。それが生命の本質なのです。闇というのは、光の密度の薄いところをいうに過ぎません。闇という実体があるわけではないのです。光は常に、あらゆる場所に浸透して行こうとします。したがって、光は常に闇を侵食して行こうとします。それを具体的に表現することも、プロジェクトの主要な一部です。
 
これからは、ますます光が闇を克服するプロセスが進行するでしょう。それは、このプロジェクトの収穫期が始まっているからです。次回は、それについて述べることにしましょう。

2005年4月3日
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