霊性入門講座

C16 霊の仕事


毎回、繰り返して言いますが、人間は物質的存在ではなく、霊的な存在です。霊そのものです。人間には、体もなく、大きさも形も重さもありません。なぜなら、霊とは純粋の意識だからです。
 
意識とは、考えたり感じたりする能力のことです。意識は、自分が考えたものを、それが実際に存在すると感じます。したがって、意識が肉体を想像し、これが私の体であると考えたら、その意識は自分の体を感じるようになります。私たちが、いま、地球という星に住んでいる肉体であると感じるのは、このような仕組みによって、意識が自分で考えたことを感じているのです。前回は、このことを「人間シミュレーター」と呼びました。それは、本来無限の能力を持っている霊たちが、「人間になったつもり」になる遊びです。

なぜ、霊たちはわざわざこんな遊びをはじめたのでしょうか。
 
これを理解するには、霊の仕事というものを知らなければなりません。霊たちにも仕事があります。仕事と言っても、それは霊の本性であり、霊が自ら進んで、自らの喜びのためにするのですから、遊びと言っても、趣味と言っても同じことですが。

霊の仕事というのは、生命のあらゆる姿を具体的に描き出すことです。霊たちは絵描きのようなものなのです。バラの花を百万本持ってきても、同じ花は一つもないように、生命の具体的な姿というのは無限にあります。したがって、霊たちの仕事も終わることがありません。絵描きはカンバスの上に絵を描きますが、霊は自分の人生を使って生命の特定の形を描きます。私たちの人生は、私たちの作品なのです。
 
さて、いま私たちは、地球にいますが、地球というのは、宇宙の中でも一風変わったテーマを追求している世界です。それは、「霊が霊であることを忘れたらどうなるか」というテーマです。そのために、私たちは、自分が霊であることをすっかり忘れてしまいました、そして、まったくの物質的存在として生活をしながら、その中で、文化や文明を発達させ、生と死や愛と憎しみのドラマを無数に描いてきたのです。
 
けれども、忘れるというのは、思い出すというのと対になっています。いま、地球には霊性を思い出すべきときが来ています。これからは、私たちは、霊性を思いださなければなりません。それが、今という時代に生まれている私たちの使命なのです。

2005年1月5日
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