霊性入門講座

C12 霊性の権威


この講座は、管理人の友人で、「渡部の生涯学習塾」というサイトを開いておられる渡部さんの依頼で始まりました。8月1日に初回を掲載しましたが、その際、渡部さんは紹介のメールで、私のことを「霊性の権威」と言って紹介してくださいました。きょうは、この言葉を手がかりにして、ほんとうの霊性の権威とは誰のことなのか、ということをお話したいと思います。
 
私は、大学では、工学部で応用物理学を学びました。現役時代の仕事は、コンピュータのソフトの研究でした。(渡部さんとはその頃、知り合いになりました)。お分かりのように、霊性とは何の関係もありませんね。

私は、僧侶でも牧師でもなく、哲学者でも神学者でもありません。要するに、普通の意味では、霊性について、私には何の肩書きも資格もないのです。その私が、なぜ、このような話をしているのでしょうか。

実は、たしかに、私は霊性の権威です。そして、実は皆さんも、みんな霊性の権威なのです。なぜなら、私も皆さんも、自分自身が霊的存在だからです。人間は、すべて、一人残らず霊性の権威です。なぜなら、人間は一人残らず霊的な存在、つまり霊そのもの、だからです。
 
世の中にはいろいろな人がいます。健康な人、病気がちの人、お金持ちの人、いつもお金に困っている人、よい人、悪い人、偉い人、平凡な人・・・・いろいろな人がいます。けれども、霊的存在でない人はいません。すべての人が霊なのです。

人間が霊であるというのは、どういう意味でしょうか。
一言で言えば、人間は死なない、ということです。人間は永遠の存在です。生まれることもなく、死ぬこともない・・・それが人間です。

逆に言えば、死ぬものは人間ではない、ということです。
私達はふつう、人間とは肉体のことであると思っています。けれども、肉体は死にます。したがって、肉体は人間ではない、ということなのです。
 
あなたは肉体を持っています。何気なく使っていますが、この言い方は、あなたと肉体が別であることを示していますね。もし、あなたが肉体そのものだったら、肉体が肉体を持つ、ということになって、おかしな表現です。けれども、あなたは肉体ではありません。だから、肉体を持つことができるのです。
 
ちょっと目を閉じて、永遠に生きている自分を想像してみてください。あなたは、いろいろな肉体を使って、たくさんの人生を送りました。男にもなり、女にもなりました。金持ちの人生も、貧乏人の人生も経験しました。泥棒も人殺しもしました。・・・地球に来る前は、どこかよその星にいました。何しろ死なないのですから、いつもどこかで、何かをしていたのです。
 
そんなことは何も覚えていないって? そうですね。いわゆる過去世と呼ばれるようなものを覚えている人は多くはありません。けれども、覚えていないから、そのような過去がなかったという話にはなりません。

人間が、たくさんの人生を経験するのは、ゲームをするようなものです。碁でも、将棋でも、コントラクトブリッジでもかまいません。何かゲームを想像してください。サッカーや野球のようなスポーツでもかまいません。

一つの試合をしているときに、前の試合のことを思い出したりする人は、あまりいないでしょう。今の試合に集中していなかったら、よい試合はできません。だれでも試合の最中は、ただ目の前の瞬間に集中しています。

けれども、今の試合であなたがどのような働きをするかということは、あなたがそれまでに経験したたくさんの試合の結果なのです。よい結果を得た試合もあれば、惨めな結果に終わった試合もあるでしょう。それらのたくさんの試合で経験したことのすべてが、今の試合におけるあなたの能力に集約されているのです。
 
私達の人生も同じです。私達は、今の人生に集中するために、過去世のことはすべて忘れています。けれども、今の人生におけるあなたの能力はすべて、あなたの長い長い過去世の集積の結果なのです。

ときどき、それが目覚ましい形で現れる人があります。天才と呼ばれるような人たちです。3歳で子供用のバイオリンを持たされたら、自然に弾き方がわかったという人がいます。けれども、過去世から能力を受け継いでくるのは、そのような天才ばかりではありません。私達はみんな、そのようにして、過去世で磨き上げた能力を使って、今の世を生きているのです。
 
そして、私達はこれからも、そのようにして、永遠に生きていきます。その中で次第に能力を高めていきます。
 
地球の上には、二種類の人がいます。自分が霊であることに気づいている人と、気づいていない人です。気づいていない人も、能力を高めるにつれて、いつかは気づくようになるでしょう。そして、そのとき、自分がたしかに「霊性の権威」であったことに気づくでしょう。

2004年9月1日

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