霊性の時代

A16 私が建てるのです



21世紀に入って5年経ちました。あなたは、新しい世紀に入れば、きっと素晴らしい世界になると、ひそかに期待していましたね。けれども、世界はますます混乱の度を深めているように見えます。戦争やテロなど、国際的な緊張はますます高まっています。国内の犯罪もますます凶悪化するように見えます。昨年は世界的に、地震や洪水や火事など、自然災害もたくさんありました。
 
このような状況を見て、心ひそかに心配している人はありませんか。本当に、新しい世界が来るのだろうか。地球人はまたアセンションに失敗したのではないだろうか。世界は破滅に向かっているのではないだろうか。霊的な時代が来るなどということを信じていた自分は、ひょっとしたら、とんでもない「おめでた人間」だったのではないだろうか。
 
あなたは世界の破滅が来るという予言や噂を信じますか?―――断固として「ノー!」と言ってください。
あなたは愛と光に満ちた世界が来ると信じますか?―――断固として「イエス!」と言ってください。
どうしてそんなことがわかるかって?
証拠を求める人は、「信じる」ということの意味がわかっていないのです。

こんな場面を考えてみてください。
私が住んでいるところは、30年ほど前に開発された住宅地域ですが、最近はほとんど空き地もなくなりました。最後まで残っていた空き地で、最近工事が始まりました。付近の住民が集まってきて噂をします。

 「何が建つんだろう」
 「普通の住宅だよ」
 「歯医者だって噂よ」
 「いや、蕎麦屋ができるらしい」
 そこへ、見知らぬ人が顔を出して言いました。
 「コーヒーショップができるんです」
 「どうしてわかるんですか」
 するとその人が言いました。
 「私が建てるんです」
 
そうです。「私が建てるんです!」というのがキイワードなのです。地球の上に新しい世界を建てるのは、あなたなのです。誰かが建ててくれるのではありません。あなたが建てるのです。これが「信じる」ということの本当の意味なのです。
 
私たちは、自分の意識を体験する存在です。心の中に迷いがあれば、迷いの世界を体験します。心の中に恐怖があれば、恐怖の世界を体験します。心の中に愛があれば、愛の世界を体験します。もしあなたが、世界は破滅に向かっているということを信じているなら、あなたは確実に破滅する世界を体験します。もしあなたが、愛と光に満ちた世界が来ることを信じているなら、必ずそれは実現します。なぜなら、新しい世界を建てるのは、あなた自身だからです。
 
いま世界中で大小さまざまの事件や災害が起こっているのは、新しい世界を建てるための整地作業が行われているのです。私の家の近くの空き地に住宅が建ち始めていますが、空き地が住宅開発業者に買い取られてから1年間ほど、そこには毎日ブルドーザーやパワーショベルが出入りして、隅から隅まで掘り返していました。何をしていたかと言うと、空き地だった時代に、そこには大量のゴミや産業廃棄物が捨てられ、埋められていたのです。そんなところに住宅を建てることはできません。まず、地面を掘り返して、埋められたゴミを掘り出し、よそへ捨てに行く作業が必要だったのです。1年がかりでその作業が終わり、最近、やっと住宅の建設がはじまりました。

地球も同じです。何千年もの間、人間は集合意識の中に意識のゴミを埋め込み、隠してきました。それが今、掘り出されているのです。それを見て、驚かないでください。ゴミはやがてなくなります。そうすれば、本当にあたらしい世界が目に見える形で現れてくるでしょう。
 
あなたは、新しい、愛と光に満ちた世界が来ると信じますか?―――断固として「イエス!」と言ってください。
あなたが信じることが、新しい世界の設計図なのです。

2005年4月3日掲載

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