霊性の時代

A7 霊的存在として生きる


私たちは、ふつう、肉体を自分だと思っています。誰かの肉体が死ぬと、あの人は死んだと思います。人が死んで、肉体が火葬にされ、その肉体の姿を見ることができなくなります。その人の声を聞くことも、手を握ることもできなくなります。そうすると、その人はもういない、と思います。私たちは、心の奥で、自分の肉体もいつかは死ぬだろうと思っています。そうすると、自分はいなくなるのだ、と思います。「いなくなる」だけでなく、「なくなる」と思います。「自分がなくなるだろう」と思って、ひそかな恐怖にとらわれます。けれども、どうすることもできないので、黙っています。
 
霊性を回復するためには、「自分はもうすでに霊的存在である」と考えてみてください。これは真実です。あなたが信じられないだけなのです。信じられても、信じられなくても、真実は真実です。信じられなくても、お芝居だと思って、自分が霊的存在であると考えてみてください。霊的存在は永遠に生きています。肉体が死んでも、あなたが死ぬわけではありません。あなたには、もともと身体はないのです。ただ身体があると考えることができるだけです。霊は自分が考えていることを現実に体験します。身体があると思えば、身体があるという状態を体験します。「身体は物質であるから、物質の法則にしたがう」と考えれば、物質の法則にしたがう肉体を体験します。「私はそんなことを考えてはいない」と思う人もあるでしょう。霊であるあなたは「私はそのことを知らないことにしよう」と考えました。考えていることを全部無意識の中に押し込めました。その結果、そのことを知らない自分を体験しているのです。

 
なぜ、こんな面倒なことになっているのでしょうか。それは、あなたがちょっとした冒険をしてみたいと思ったからです。あなたは「自分が霊であることを忘れたら何が起るだろうか」と思ったのです。そこで、あなたは霊であることを忘れる事にしました。「私は物質である」と考えることにしました。その結果として、肉体をもち、この世に生まれ、成長し、やがて年老いて死んでいく人間を体験することになったのです。
 
あなたの実験は大成功でした。あなたは自分が霊であることをまったく覚えていません。それはあなたの実験が完璧に成功した印です。けれども、少し困ったことも起きています。あなたは、自分が霊であることを忘れてしまったので、元の霊性を取戻す方法も忘れてしまったのです。そこで、あなたの友人が助けてくれることになりました。あなたの友人が人間の形をしてやってきて、「あなたは霊だよ」と教えてくれるのです。それがキリストやお釈迦様のような、霊的な指導者です。そんな超有名な人でなくても、あなたの身の回りにも、少しずつそのことに気付いている人がいるかもしれません。今、人類は少しずつ目を覚まし始めています。そろそろ実験を終了させるときが近づいているからです。

このサイトも、そのような目覚め始めたものの一人がつくっているものです。そして、それに興味を持って近づいてきたあなたも、目覚めかけています。自信をもって目覚めてください。自分自身を信頼してください。

霊性を回復するためには、もう既に霊性を回復したと考えて、毎日を生きることを始めてください。あなたはすでに永遠の存在です。あなたはすでに愛の存在です。あなたはすでに叡智の存在です。永遠の視点から、あなたの人生を眺めてください。永遠に生きつづけるあなたは、この地球に何をしに来たのでしょうか。耳を澄まして、心の奥のひそかな音を聴いてください。霊は物質世界の音を聴くだけではありません。霊の世界の音を聴きます。目を開いて、物質世界の背後にある精妙なエネルギーの世界を見てください。霊は、物質を超えたものを見ます。
 
誤解しないで下さい。霊の世界とは、死者の世界ではありません。日本では、霊という言葉を死に結びつける伝統が強いので、そのために恐怖を感じる人がいます。けれども、霊の世界は、死の世界ではありません。なぜなら、霊は決して死なないからです。それは躍動する生命の世界です。輝く光の世界です。無限の愛の世界です。深い深い安らぎの世界です。たとえようもない美しさの世界です。

あなたはそのような世界の存在なのです。あなたは光です。愛です。生命です。力です。叡智です。永遠です。限りなく美しい、限りなく高貴な、限りなく気高い、限りなく聖なる存在、あなたはそのような存在なのです。あなただけではありません。あなたの隣にいる人もそうです。向こう側にいる人もそうです。あなたの配偶者も、親も、子供も、みんな光の存在なのです。あなたの友人も、あなたの敵も、無関係な第三者も、遠い人も近い人も、みんな光の存在なのです。あなたが本当に、心の底から、世界中の人を光の存在であると考えることができるようになったら、本当にあなたは光の存在に取り囲まれた自分を体験するでしょう。 

2003年2月15日5日掲載
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